遺留分をもらうには? 1
Q 亡くなった父が、全財産を兄に渡すという遺言を残していました。
私には「遺留分(いりゅうぶん)」というものがあると聞いたのですが,具体的にどうすればいいのでしょうか?
A
① 兄と話し合い、遺言と異なる遺産分割協議を成立させる
(相続人同士で遺産分割協議(話合い)が成立すれば、遺言よりも遺産分割協議のほうが優先します。)
② 兄が譲らない場合や、兄とは犬猿の仲で話が出来ない場合
→ 兄に対し、遺留分減殺請求(げんさいせいきゅう = 遺留分相当の遺産を渡すよう求める請求)の、
内容証明郵便(*)を送付する
つまり兄に対して、私は「遺留分を請求します」と意思表示をするのです。これを法律用語で遺留分減殺請求といいます。
また、ポイントは書面それも内容証明郵便(*)で請求を行うことと、
遺言の内容を知ってから1年以内に請求することです。
(内容証明郵便 = 送付したものと同じ書面が郵便局に保管され、いつ・誰に・どんな書面を送付したのかを証明できます。詳しくは → 日本郵便HPリンク)
注意! 行動を起こさないとすぐ時効に
遺留分を求める権利には時効があります。
遺言の内容を知ってから1年で、時効消滅します。
実は、この1年というのがくせ者です。もともと遺留分減殺請求が1年限りということを知っている人ならいいですが、知らない方が大半です。
そのため、1年過ぎた後に「やっぱりあの遺言は納得できない」「意を決して兄に請求しよう」としても、どうにも出来ないのです(そういう相談も多いです)。
1年間というのは被相続人の葬儀や法要などをしているうちに、あっという間に過ぎてしまいます。
また、1年間だけは、兄が優しくするかもしれません。
早めに動く、かつ最善の策をとるためには、まずは専門家に相談してみてはと思います。
参照【民法 第1042条】
減殺の請求権は,遺留分権利者が,相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは,時効によって消滅する。
相続開始の時から10年を経過したときも,同様とする。
→ 遺留分・遺留分減殺請求に関するご相談は鈴木洋平法律事務所へ