示談|刑事弁護
自白事件(罪を認めている事件)で、被害者のいる事件では、示談・被害弁償ができたか否かが量刑に大きな影響を及ぼす場合があります。
私が刑事弁護人として示談交渉をする際には、以下のことを意識しています。
① 早期の対応
まず、早期の対応を心掛けています。
特に不起訴処分を求める事件においては、10日間ないし20日間の勾留満期までに示談をしないと起訴がされる確率が上がります。
したがって、早期の対応が不可欠です。
もっとも,早期の対応といっても簡単ではなく、被害者となかなか連絡の取れない場合や、被害弁償金が早期に集まらない場合など様々な遅延の原因となる事情があります。
したがって、その点も踏まえた対応も心がけています。
② 担当検察官との連絡・調整
事件には捜査を担当し刑事処分を決める検察官がいますので、担当検事と連絡をとり示談の状況等を報告しています。
仮に20日間の勾留満期に示談が間に合わなくとも、示談の早期成立の見込みがあるのであれば、検察官にその旨伝え、被疑者の刑事処分を保留にして一旦釈放してもらい、示談後に不起訴処分としてもらうことを交渉したりします。
③ 妥当な金額の設定
示談金はいくらが妥当かといっても一般的な相場はなく、個々の事件ごとに妥当だと思われる金額を設定するしかありません。
しかし、被害者の中には少数ですが不相当に高い金額を要求する人もいるので、弁護士として妥当だと思われる金額を説明して交渉するように心がけています。
④ 被害者の心情への配慮
示談や被害弁償にあたっては、被害者の心情に配慮しています。
被害者からすれば、加害者側の弁護人が突然示談の話したとしても心情的に受け入れられないこともあります。
また、「本当に加害者は反省しているのだろうか」「これまでどんな生活をしてきたのか」「今後、逆恨みされることはないか」など気がかりな点を個々に抱いています。
そこで、被害者には状況に応じて加害者の生活状況や反省状況を真摯に伝え、不安や気がかりな点を解消できるように努めています。
強引な交渉や、無理強いは、二次被害となり被害者の不信を招き、かえって示談の成立が困難となってしまいます。
⑤ 示談書等の書面作成
示談の成立にあたっては書面を作成しますが、これも一律ではなく状況に応じて適切なものを作成するようにしています。
場合により何パターンか用意して交渉に臨んだりしています。
* なお、被害者がいる事件でも当然ながら全ての事件で示談交渉ができる訳ではありません。
例えば、窃盗事件でも被害店によっては会社の方針で一切示談や被害弁償を受け付けないところもあります。
また、性犯罪などで弁護人を含めた加害者側とは一切接触したくないとの理由で、検察官から被害者の情報が一切開示されない場合もあります。
このような事件では示談交渉自体が事実上不可能と言わざるを得ません。別途、量刑が不当に重くならない手段を検討していくことになります。
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