会社を経営していれば、必ず、取引先の入金の遅れや、
売掛金未回収といった事態に出くわします。最悪の場合、取引先倒産という目に遭うこともあります。
電話や直接面談して催促しても支払われない場合、途方にくれるか、または強引に回収しようと思われることもあるかもしれません。
しかし、一歩間違えると脅迫や恐喝などと言われ、逆に相手方から損害賠償請求を受けることもあります。問題が発展してしまう前に、まずはご相談ください。
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- 交渉が有利になる
- 弁護士が代理人となって債務者に内容証明郵便を送付するだけで、債務者が弁済に応じるケースも数多くあります。弁護士が代理人につくことで、請求に応じない場合はより強力な法的手段が講じられてしまう、との心理的プレッシャーが債務者に働くためです。
取引先が倒産寸前の場合、債権回収は時間との勝負になります。交渉段階でできる限り早く回収しなければ、他の債権者に債務者の財産を持って行かれてしまうことも十分にあり得ますので、弁護士に委任して迅速に交渉を進めましょう。
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- 適切な法的手段が取れる
- 内容証明郵便を相手方に送るだけでも、そのことが原因となって今後の取引が途絶えてしまうかもしれません。
しかし、弁護士に相談すれば、どの方法がもっとも適切なのかという判断が可能となり、適切な法的手続を取ることが可能になります。
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- 訴訟を提訴し、強制執行ができる
- 「内容証明郵便を送る」「民事調停を申し立てる」「支払督促を申し立てる」といった方法で、良い結果が得られない場合は、最終的には訴訟を提起することになりますが、高度な専門性が必要となります。
弁護士に依頼することで、訴訟・強制執行を適切に遂行し、債権回収を図ることができます。
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- 弁護士と司法書士・行政書士の違い
- 債権回収を司法書士や行政書士に依頼する方法もありますが、内容証明郵便を送付した後の相手方との交渉については、簡易裁判所における代理権を有しない司法書士及び全ての行政書士は、原則として行うことができません。その点、刑事法まで含めたトータルな法的サポートを行える弁護士なら安心です。
債権回収の方法には5つの種類があります
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- 内容証明郵便
- 会社名で発送した場合、先方に対する強制力はそれほど強くはありませんが、弁護士が弁護士名で内容証明郵便を送付した場合、取引先は「このまま支払わないでいると裁判を起こされるかもしれない」と考え、支払いに応じる可能性が高くなります。
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- 民事調停手続
- 調停は、裁判所を利用する手続です。弁護士を立てずに調停の申し立てを行うことも可能ですが、調停はあくまで話し合いなので、先方が裁判所に出頭しなければ成立しません。
しかし、弁護士に依頼して調停を申し立てた場合、先方に、「裁判所へ出頭しなければならない」という気持ちや、「このまま調停が成立しなければ、次は訴訟になる」という気持ちが起きやすくなります。
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- 支払督促手続
- 支払督促手続とは、「支払督促」という書類を裁判所から先方に送付してもらい、相手方の反論がなければ支払督促に記載された債権が公的に認められるという制度です。
しかし、先方が異議を申し立てた場合、支払督促は効力を失ってしまいます。
支払督促手続については、弁護士が代理して行うことはあまりありません。
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- 訴訟手続
- 訴訟手続は、債権を回収する方法としては一番の正攻法です。また、訴訟を提起した後からでも、相手方と任意の和解交渉や、裁判所上の和解を行うことも可能です。
※訴訟手続により判決をもらったとしても、先方が判決に従わず、代金を支払わないということも考えられます。しかし、強制執行手続の前提として先に判決を取得しておくことは、大きな意味があります。
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- 強制執行手続
- 相手方が任意の支払に応じない場合、裁判所に強制執行を求めることができます。
債権執行の中心は銀行預金の差し押さえです。銀行預金を差し押さえれば、回収すべき金額の範囲内である限り、差し押さえ時の預金残高をそのまま回収することができます。
また先方が企業なら、仮にその口座にほとんど預金がなかったとしても、営業に重大な支障をきたすため、任意に代金を支払わせることができる場合があります。
さらに、先方の取引先等の債務者が判明している場合は、先方の有する当該債権を差し押さえることもできます。先方は、自分の取引先からの信用を失いたくないために、差し押さえ後に任意に支払ってくる可能性もあります。
このように、強制執行手続は債権回収の最後の手段として、非常に有効です。