民事事件に対して、国家が犯罪を犯した者に罪を問うのが刑事事件です。
刑事事件は犯罪を取り締まるものですから、当然警察や検察庁、裁判所が介入します。
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- 事件発生
- 事件が発生すると基本的に警察官が捜査をします。
警察官は、聞き取りや指紋などの証拠を集めて犯罪事実の解明と犯人の特定をします。
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- 任意取り調べ
- 犯罪を犯したとを疑われている人が、参考人として任意の出頭を求められ取調べを受けることがあります。(いきなり逮捕されることも少なくありません)
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- 逮 捕
- 逮捕されると、警察官から厳しい取調べが行われます。
原則として、逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。
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- 勾 留
- 検察官は、事案を考慮して勾留請求をするかを判断します。(勾留請求しなければ釈放されます)
勾留が認められると、最大20日間警察署に留置され、警察官・検察官から取調べを受けます。
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- 起 訴
- 勾留の最後に、検察官が起訴するかしないかを判断します。(起訴されると刑事裁判を受け、有罪とされれば刑罰を受けることになります。)
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- 第一審
- 起訴された場合、簡易で認めている事件であれば2週間~2ヶ月程度。
このとき保釈請求をして、認められなければ、ずっと拘束されたままです。
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- 控訴審
- 第1審判決に対し、被告人もしくは検察官が控訴した場合には、高等裁判所で裁判が行われます。
期間は通常3ヶ月~6ヶ月程度です。
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- 上告審
- 高等裁判所の次は最高裁判所の上告審もあります。ただし、上告理由は法律によって極めて限定されているため、上告が認められる例はあまりありません。
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- 刑務所
- 実刑が確定すれば、全国にある刑務所に服役することになります。(第1審の判決に、弁護側・検察側双方が控訴しなければ、確定して服役することになります)
家族・知人が逮捕されてしまった方
家族や知人が逮捕されてしまった方は、とにかく1日でも早く弁護士を選任することです。
突如逮捕された人は、毎日朝から晩まで警察官や検察官から厳しい取調べを受けます。逮捕された人は、取調官が自分の言い分を聞いてくれないと感じることも少なくありません。
厳しい取調べで、無実なのに認めてしまう人もいます。実際に犯罪を起こしてしまった人でも、とても不安な気持ちになります。特に接見禁止決定が出ると、弁護人以外とは会うことも手紙を出すことも出来ません。逮捕されてしまった人の不安を和らげ、外部との窓口となれるのは弁護人だけです。
※弁護人に選任された場合に行うこと
- 接見に行きます(逮捕段階ではこれが一番重要です)
- 被害者と示談交渉をします
- 早期に釈放されるよう可能な手段を尽くします
保釈請求をご依頼の方
起訴されてしまったら保釈を請求することが出来ます。(起訴される前はできません)
保釈とは、一定のお金を裁判所に預けて、裁判が終わるまで外に出られる制度です。(事案の重大性や常習性などで絶対に認められるとは限りません)
なお、起訴されたら原則として国選弁護人が選任されますが、起訴されてから数週間かかる場合があります。
1日も早く保釈請求をお望みの方は弁護士に相談してください。
起訴されてしまった方
起訴されると、地方裁判所で裁判が行われることになります。裁判は、被告人の有罪を検察官が立証し、それに対して弁護側も主張します。
※弁護人に選任された場合に行うこと
- 被告人と接見・面接をして、その主張を十分にくみ取ります
- 罪を認めている場合には、犯罪を起こしてしまった原因や二度としないことを裁判所に伝えていきます。
- 事実を争っている場合には証拠を集め、検察官の立証に対して反論していきます。
- 1日でも早く外に出るための保釈請求をします。
控訴審をご依頼の方
残念ながら第1審で敗訴したり、納得がいかない判決だった方の控訴審の事件も積極的に引き受けています。
第1審判決の後に示談が成立し、控訴審で刑が減刑されることもあります。
諦めずに弁護士に相談して下さい。